【FPの話】第23回 外貨建て金融商品について
こんにちは。ナンドーです。
このブログでは、自分の実体験をもとに色々役に立つ情報や雑記を記載していきます。
本日のテーマはで「外貨建て金融商品について」です。
これまで株、債券、投資信託と紹介してきましたが
これには円建てと外貨建てがあります。
どっちがいいかは一長一短なので、どう考えたらいいかについて紹介します。
ただ、やめといた方がいいものもあるので、参考としていただければと思います。
1.【始めに】外貨建て金融商品とは?
外貨建て金融商品とは、取引価格が外貨建て(米ドル、豪ドル、ユーロなど)で
表示されている金融商品を言います。
取引価格が円ではないので、外貨建て金融商品を扱うには
それぞれの円をそれぞれの通貨に換えて購入する必要があります。
その国の金融商品を買うので、海外で買い物するのと同じように
通貨を換える、と考えればよいかと思います。
2.【結論】とにかく為替レートに注意
円を外貨に換えるときに関係するのが「為替レート」です。
いわゆる「円高」「円安」というやつです。
ここで基本中の基本、「円高」「円安」がどういう状態であるかのおさらいです。
とりあえず対米ドルを例にとって考えてみます。
「円安」というのはこの1米ドルに対する円の価格が上がっている状態を指します。
「1米ドル = 110円→120円」となったら「円安」です。
「安」と書いてあるのに価格は大きいというのがややこしいですね。
なので、「円高」「円安」だけを考えないで「円高・米ドル安」「円安・米ドル高」と
セットで考えるとわかりやすいと思います。
1米ドルで1個のリンゴが買えたとします。
「1米ドル = 110円」だったら円ベースで考えたとき、1個のリンゴを110円で買えることになります。
しかし、「1米ドル = 120円」になったら、1個のリンゴを120円出さないと買えないので
リンゴが高くなった(為替ベースで)
→1米ドルが高くなった(ドル高)
→相対的に円の価値が下がった(円安)
こう考えれば高い、安いが逆転せずに整理できるかと思います。
ちなみ円高はこの逆の現象です。
買えば買うほど差が…。
金融商品としてみた場合、扱う価格は10万円、100万円の単位と思いますので
この1米ドルの差はかなり大きく響いてきます。
「1米ドル = 110円」の場合、10万円は909,1米ドルとなりますが
「1米ドル = 120円」の場合、10万円は833.3米ドルとなります。
リンゴを買える個数が-76個…ちょっとでかいですね。
ちなみに本日2020年8月15日現在の米ドルの為替相場は「1米ドル = 106.573円」です。
今年の米ドル最高値は、2月17日で、「1米ドル = 111.571円」でした。
コロナ禍の影響はあるかもしれませんが、半年でもそれなりに変動することを覚えておいてください。
3.【詳細】主な外貨建て金融商品(外貨預金はオススメしない)
主な外貨建て金融商品としてあるものはこちらです。
本当は外貨建て保険とかもあるのですが、これは色々あるので今回は除外します。
この中で非常に気を付けるべきなのが「外貨預金」です。
外貨預金は金利が高く、ネットバンクから簡単にできるので
悪い商品ではないように思えるのですが、色々罠があるので
今回はそれについて詳しく記載します。
3.1 外貨預金
まず、外貨預金の詳細について記載します。
・外貨預金とは、円建でではなく外貨建てで行う預金のこと
・預金保険制度の対象外
・定期保険は原則として中途換金ができない
・利子は利子所得、為替差益は雑所得となる
三菱UFJ銀行の外貨預金を例に計算してみます。
まず外貨預金の年利は金利はこちらです。
短期の方が金利が高いですが、これは年利換算なので注意してください。
これをみると米ドルの1年物の利子は1%です。
現在の円建ての普通預金、金利は0.001%です。
それと比較するとなんと利子は100倍!!
ただ円を外貨に換えて預金するだけで100倍の利子、というのは
非常に魅力的に思えますが、実際にどうなるのか
下記のケースでシミュレーションしてみます。
・外貨預金資金:10万円
・為替レートは2020年8月15日のもの
・三菱UFJ銀行を使用した場合
3.1.1 円を外貨に換える
まず、外貨預金を行うには円を外貨に換える必要があります。
円を外貨に換えたり、外貨を円に換えたりするには
実際の為替価格に対して手数料を上乗せする必要があります。
この時に使う為替レートの呼び名があります。
・円→外貨の為替レート = TTS(Telegraphic Transfer Selling Rate)
・外貨→円の為替レート = TTB(Telegraphic Transfer Buying Rate)
こちらがTTSとTTBの一覧です。
本日の為替市場の価格は「1米ドル = 106.573円」ですが
TTSは「106.86円」なので、0.287円高くなっています。
「1円にも満たないんでしょ?」と思われるかもしれませんが
甘く見ると後で痛い目を見ます…。
米ドル以外は差が1円あるので、額が大きくなればなるほどここだけで為替差損が出ます。
3.1.2 外貨預金を運用する
今回10万円を外貨預金に換えるとTTSより、935.8米ドルになります。
935.8米ドルを運用すると1年間の利息は9.36米ドルになります。
円の普通預金利率で見たら0.1米ドルにも満たないのに
これだけ見るとすごい多く感じます。
しかし、これで終わりません。
利子所得には税金がかかります。その税率は20.315%です。
これが引かれます。
9.36-(9.36×0.20315)=7.46米ドル
これが実質の利息額となります。
3.1.3 外貨を円に換える
米ドルのままでは使えないので、これを円に戻す必要があります。
しかし、ここで使われる為替レートはTTBになります。
そう、外貨に換えるときに手数料を取られるのに
さらに円に戻すときにも手数料を取られるのです…。
元本は935.8米ドルなので、これに利息分を足してTTBで戻します。
とりあえずTTBは本日の為替レートとします。
(935.8+7.46)×106.36=100325円
あれ?325円しか増えてない…。
シミュレーションだと満了日のTTBが106.1円以下だと元本割れします。
今日の為替の基準額は106.573円です。
0.5%為替レートが下がったら元本割れするってことです。
もちろん、為替変動で円安に向く可能性もあるのですが
それならわざわざ外貨預金を介さずに外貨を買えばいいと思います。
かくいう自分も外貨預金をやったことがあるのですが
為替が円高になってしまい、なかなか円に戻せず毎日為替を見ていました。。
それでやっとこさ元本割れしない水準に戻った!と
円に戻して出た為替差益にも税金が20.315%かかり、最終的に得た利益って
100円くらいだったと思います。
まったく時給と気持ちに見合ってない…。
このことから外貨預金はオススメしません。
3.2 外国債券
以前のブログに記載しましたのでこちらを見ていただければと思います。
ここでいう「外国債券は」個別債権のことを指しています。
ちなみに、円建ての外国債券というものもあるそうです。
こういう債権を「サムライ債」というそうです。
そして外貨建ての外国債券を「ショーグン債」というそうです。
…本当です。
以前のブログで述べましたが、外国債券のETFではAGGがオススメです。
…っていってたのに、自分がAGGを保有していなかったことに気付きました。
大変失礼しました。
購入したので、しばらく経ったらどんな動きをしているのか紹介します。
3.3 外国投資信託
外国株や債券の投資信託です。
代表的なものに外貨建てMMFというのがあります。
外貨建てMMFは株式が一切無い、公社債や短期の金融商品で構成された外貨建て投資信託です。
特徴として、日本のMMFは30日間で解約するとペナルティが発生しますが
外貨建てMMFはペナルティがありません。
税金関係は円建てのものと一緒です。
外国投資信託で今一番いいといわれているのは
「emaxis slim米国株S&P500」というインデックスファンドです。
楽天証券でもランキング1位になっています。
1位だからいい、というわけではありませんが
是非とも考えてみていただければと思います。
詳しく知りたい方はこちらの動画を参照ください。
4.【まとめ】長期的運用のできる金融商品を選ぼう
本日は「外貨建て金融商品」について書きました。
株にせよ、債権にせよ、長期運用することで利益が出るものを選ぶのが
安定したキャッシュフローを得る上ではいいといわれています。
それに加えて外貨建て金融商品は為替の影響を受けます。
長期で運用して運用益が増えれば、為替の影響は少なくなります。
外貨預金のようなギャンブル要素があるのに利益が低く、運用期間が短いものは
これにあってないので注意が必要です。
やられている方はご再考いただければと思います。
FPの話の出典はこちらです。
自分と一緒に勉強しましょう!(仲間が欲しい…)
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それでは今日も一日ご安全に!