nandoblogのブログ

30代後半、機械系エンジニア、2児の父のブログです。

【仕事の話】第30回 外注設計について

こんにちは。ナンドーです。
 
このブログでは、自分の実体験をもとに色々役に立つ情報や雑記を記載していきます。
 
本日のテーマは「外注設計について」です。
 
皆さん「設計者」と聞いてどのような作業をしている人を思い浮かべるでしょうか?
イメージってこんな感じではないでしょうか?
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正に「設計者」と検索して出てきた絵(笑)
 
実は「設計者」の主な作業はこれではありません。
実際に物の絵を描いている人は別にいるのです。
 
それが「外注設計」と呼ばれる仕事です。
本日は、それが一体どのような仕事なのかについて書いてみます。
 
1.【始めに】外注設計とは?
 
自分は機械設計者の仕事をしています。
 
機械設計とは、簡単に言うとハードウェアの設計です。
SEと呼ばれる人たちがソフトウェアのような、プログラムを設計しているのに対し
その外身である実体のあるものを設計している、ということになります。
 
日曜大工であればホームセンターで買ってきた材料を使って自分で
何かを作ることはできるかもしれませんが、世の中に送り出す製品を作るとなると
それぞれの部品を専門の業者さんに製作してもらう必要があります。
その時に必要となるのが「図面」です。
 
頭の中にアイディアがあっても、「図面」がなければ業者さんは
どのようなものを作ればいいのかわかりません。
設計者が図面を描けばいいのですが「図面を描く」という作業には
かなりの時間を要します。
 
そこで出てくるのが「外注設計」という仕事です。
「外注設計」とは図面を描く専門の方、ということです。
つまり、実際の製品の絵はこのような「外注設計」の方が
描いているケースが多いのです。
 
「図面って設計者が直接描いているわけじゃないの!?」
と思われた方は多いかと思います。
実際、自分も働く前はそのように考えていましたし
設計志望の学生さんからも
「設計者になって図面を描く仕事がしたいです!」
なんて言われることはよくあります。
 
でも実は、設計者が自分で図面を描く、というはあまり無いのです。
 
製品設計をしている会社の多くはこのような外注設計を採用していると思います。
製品の図面は作られ設計者はその出来上がった図面をチェックして
自分の名前としてサインを入れ世に送り出しているのです。
 
2.【結論】設計者の仕事は図面を描くことではない
 
設計者が外注設計にどのような方法で依頼をしているのか、というのは
主には下記のような感じです。
 
①自分のアイディアをラフなデザインに起こす
②大きさや寸法を決めて実際にそれが成り立つ顔検証する
③問題がないことを確認したら、そのラフなデザインを外注設計に伝える
④外注設計によってデザインを図面に起こし、出来上がったものを設計者に渡す
⑤設計者は図面をチェックし、問題なければ自分のサインを入れて発行する
 
「図面自体は外注設計の人が描いているのに、他の人のサインが入って発行されるってどーなの?」
と思われるかもしれませんが、この仕組みはおかしなことではないのです、
 
なぜなら設計者は画家ではないからです。
「図面」は、そこに描かれたものを実物にするための「指示書」なので
図面自体にものすごく繊細で綺麗な絵が描かれている必要はないのです。
 
インテリアコーディネーターとか、デザイナーの方とかも
「ここには○○の形を何色でどれくらいの大きさで…」と
「指示」を出すとは思いますが、それを実際に形にするのは本人以外の
業者さんだと思います。
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誰かを彷彿とさせる絵…(笑)
 
機械設計者もこれと同じなのです。
 
3.【詳細】ゴーストライターとの違い
 
「自分で手を動かして描いたものが、自分以外の人の名前で
 世に送り出されたんじゃ、外注設計の人はゴーストライターということ?」
そう言われる方もいるかと思います。
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実は、「外注設計」というのは「外注」という名の通り
製品を作っている会社から委託された別会社であることがほとんどです。
そのため、その図面に対する責任は、実際にその製品を作る会社の方が
持たなければならないことになります。
このことから、製品の図面に入るサインは製品を製作する会社の
設計者のものでなければならないのです。
 
もし、外注設計の方がミスをしていたことにより
その製品に不具合が発生したとしても、外注設計の人が責任を負うということは
まずありません。
なぜなら、その図面の設計者の名前は外注設計の人ではないからです。
 
表舞台には出ませんが、責任を負うこともない。
どっちがいいのかということに関しては人それぞれによるかと思います。
 
4.【まとめ】縁の下の力持ちに感謝
 

本日は「外注設計」について書きました。

 

決して表舞台に出ない「外注設計」の方々の手によって
設計者は図面を描くという時間を減らし
創出した自分のアイデアを短時間で製品を世に送り出すことができています。
 
決してゴーストライターとは別な
このような縁の下の力持ちの方々がいるということを
是非とも知っておいていただければと思います。
 
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それでは今日も一日ご安全に!